森といえば、どうしても"ノルウェイの森"を連想してしまうのだか、村上春樹のファンである私にすれば、しごく当然のことであって何ら不思議でもない。
昨年の年末に公開された映画版にはほとほとがっかりしたが、そのストーリーの特殊性と独創性とエロチシズムとその難解さと芸術性の高さを考慮すれば、誰が監督をしようが、まともな映画などになるはずがないのだ。
ただ、私は観おわった後 ちょっとだけほっとした。
それは、私のこの作品に対するこだわりというか世界観みたいなものが、全く阻害されなかったからだ。
それだけ この小説と映画とのギャップが大きかったということなのだろうか。
この日は、たまごとレタスのサンドイッチを持参した。
都会の中にあるオアシス。
大分市平和市民公園と武漢の森公園。市街地のど真ん中に位置するが、ここはいつ来ても四季折々の季節感を漂わせ、その風情を堪能できる。
市役所の職員らしき人が丁寧に花壇の整備をしていた。
「暑いのに大変ですね」と話しかけてみると、「これが私達の仕事ですからと」汗をタオルで拭いながら答えてくれた。
「私達もこれで結構、癒されているんですよ。大変だなんてとんでもない。」ふむふむ。こういう公務員もいるのだ。
一瞬、風が吹いた。近くにいたカップルの女性のスカートがめくり上がり、パンツがみえそうになった。
どうでもよかったのだが、あの二人はこの後、結婚して子供を育て、また家族連れで、またここにくるのだろうかと思うと、何だか 老けた気がした。
昔、今は亡き父親と一緒に山に入り、カブトムシやクワガタを夢中で採りに行ったことを思いだした。
もしかして この辺りにもいるのだろうかと、半信半疑で少しだけ探してみたが、すぐに諦めた。
まるで童謡の「小さな木の実」の世界だ。
「こんな所にいる訳ないでしょ。」心の声がつぶやいた。
本当はこの公園の側にある、芸術会館を撮りに来たのだか、やはり撮影許可がおりなかった。
今度、この森に来るときはサンドイッチではなくて、おにぎりにしようと思った。